ファイナンシャルプランナーが再認識しなければならない前提

今回は、ファイナンシャルプランの意味、ファイナンシャルプランによって何を得られるのか、そしてライフイベントに必要な費用やファイナンシャルプランを作成する際のポイントなどについてです。

ファイナンシャルプランニング

学ぶ、結婚する、マイホームを取得する。

子どもたちの受験、進学、そして子どもたちの自立。

子どもが自立した後の自分たちの生活、そして相続準備等。

人にはそれぞれのステージにおいて叶えたい、やっておきたいと思う人生上の目標や目的があります。

それらをかなえるためには、将来についてしっかりとした計画をたてておくことが大切だ、というのがごく一般的な考え方です。

人生は想定外のことだらけ

しかし、ここで1つの問題が浮上してきます。

しっかりと計画をたてたとしても、そのシナリオ通りに上手くいかないことの方が大半だという事実です。

例えば、何かの事情で計画を途中で諦めたとなると、そのプランを作成した労力は無駄だったということになります。

あなたもご存知のように、ライフプランを実行するにあたっては、お金が必要です。

常にキャッシュフローが右肩上がりに上昇していれば何も問題はないのですが、なかなか思うように行かないのが現実でしょう。

政治経験のない実業家がアメリカの大統領になる時代です。

このような想定外のことが、自分の人生にも良くも悪くも起こることは十分考えられることです。

そして、最初のアプローチを間違えてしまうと、その後生み出されたものすべてが大きな障壁となってしまうことがよくあります。

しかしながら、ライフプランの試みは先々のライフイベントのことを考えるきっかけとなったり、将来に対する漠然とした不安もある程度和らげる役目を果たすこともあるので、一概に否定することも出来ません。

つまり、ライフプランに依存せず、プランニングしたものと現状との関連性を俯瞰しつつ修正していくということが重要になってきます。

そのためにはライフプランの手順と照らし合わせながら、その経済的バックボーン理論であるファイナンシャルプランが必要です。

ファイナンシャルプランニングとは何か?

ここ十数年、デフレの状態がず~と続いています。

その影響で日本経済は非常に冷え込みました。

インフレになれば、物価が上昇し、その影響で貨幣価値が低下し、現預金は実質的に目減りしてしまうことになります。

そうなると消費に回さなければならないお金が増え、私たちの所得が増えないままだとすると、結果的に貯蓄がゼロということにもなりかねません。

このように個人のふところ具合にとっては悪い方向性の不確実性要素が増加してきた昨今です。

したがって、これからは今まで以上に多岐にわたるお金の対策が必要になってくるでしょう。

そのような時に、強い味方となるのがファイナンシャルプランです。

ファイナンシャルプランは私たちの生活に直接的に関わる重要なものです。

ファイナンシャルプランニングは何を教えてくれるのか?

ファイナンシャル・プランニングとは、クライアントのライフプランに基づいて、ライフプラン上で必要なお金を把握し、計画を立てていくことです。

このファイナンシャルプランニングを行うことによって、クライアントの夢の実現が加速したり、目的や目標の早期達成も可能になったりします。

ファイナンシャル・プランニングを行うにあたって必要となる基本的な情報は以下のような内容になります。

ライフイベントに必要な費用は?

個人的にかなえたい夢、そして目標がたくさんあると思います。

しかし、それらをかなえるためには大きな出費を伴うことも事実です。

したがって、そのときになって慌てないためにも、クライアントとその家族のライフイベントを把握し、今後いくら必要になるのかを確りと把握しておく必要があります。

就職活動費

リクルートスーツ、交通費、宿泊費など約16万円
※株式会社ディスコ2016年度日経就職ナビ学生モニター調査より

結婚費用

結納 ・婚約 ~新婚旅行までにかかった費用総額約461万円(全国推計値)
※ゼクシィ結婚 トレンド調査2015より

出産費用

出産費用の総額(入院料、室料差額、分娩料、検査、薬剤料、処置、その他)約49万円
※厚生労働省「第78回社会保障審議会医療保険部会配布資料」より

教育資金

子ども1人当たりの総額(幼稚園から高校まで公立、大学のみ私立の場合)約969万円
※文部科学省「子供の学習費調査(平成26年度)」、「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果について(平成26年度)」

住宅購入費

住宅購入平均価格:建売住宅約3320万円、マンション約4250万円
※住宅金融支援機構「2015年年度フラット35利用者調査報告」より

老後の生活費

ゆとりある生活費と考えられる老後生活費の平均金額約35万円/月
※生命保険文化センター/平成25年度「生活保障に関する調査」より
高齢夫婦無職世帯の支出約28万円/月
※総務省「家計調査年報(家計収支編)」平成27年家計の概況より

介護費用

介護保険受給者1人当たり費用額1ヶ月約16万円
※保険給付額、公費負担額及び
利用者負担額の合計額
※厚生労働省「平成26年度介護給付費実態調査の概況」より
上記は平成27年4月審査分。

その他の費用も計画しておく

このように、人生にはさまざまなライフイベントが控えています。

上記に記載した内容は、主なライフイベントにかかる費用の目安をまとめたものです。

もちろん、実際にかかる金額は人によって異なります。

いずれにせよ、ある程度まとまったお金が必要なことは確かです。

前もって、こうした費用を把握し、準備しておけば、将来への不安も軽減され、経済的にも無理なく対応することが可能となってきます。

そのためにも、これからのビジョン(どうしいきたいのか)を明確にし、それにあたって必要なお金を早くから準備していくことが大切になってきます。

また、上記のようなライフイベントにかかる費用だけでなく、病気やケガで働けなくなったとき、急なリストラにあったときなど、緊急時のための備え(緊急資金)もある程度準備しておくことが必要です。

ライフイベントに必要なお金を計画的に備える

結婚や出産、住宅購入といったライフイベントは、もちろん1つずつ順番にやってくるわけではありません。

むしろ重なることが多いでしょう。

たとえば結婚と同時にマイホームを購入する人もいるでしょうし、退職を機に住宅を購入するという人もいます。

また、子どもの進学時期が重なり教育費が同時にかかる人もいます。

このように、いつ、どんなライフイベントを迎えるか、いくらお金が必要なのかは、ライフスタイルによって異なります。

したがって、まずクライアントのライフスタイルというものをイメージできるスキルが必要です。

クライアントのお金と時間を最大限に増やし、最大限に活用できるものに仕上げましょう。

そのプランニングによって、クライアントが理想的な人生を送れるようにしていきましょう。

そのためには、クライアントの現状と将来に、しっかりと向き合うことが大切です。

ライフプランはクライアントの人生の幸せを最高点まで導いく人生のフローチャートなのです。

将来のライフイベントを想定する

それではさっそく、ライフプランを形にしていきましょう。

まずはライフイベント表(日本FP協会)などを使って、クライアントとその家族の夢や目標、ライフイベントなどを書き出します。

子どもがいる家庭であれば、七五三や、幼稚園・小学校・中学・高校・大学などの入学・卒業時期、それにかかるお金をわかる範囲で、とりあえず書き出してもらいます。

当然、空欄がありますよね。それでいいんです。

わからないところがはっきりしたわけですから、その上で、わからないところや未定のところは、調べて出来る限り空欄のないように仕上げていきましょう。

他でもないクライアントのためのプランです。

この工程の手を抜くと、あとで大きなしっぺ返しがきます。

それが、あなたの信用にも影響するのですから、真剣に臨みましょう。

手抜きをしたら、後で痛い目を見るのはプランナーであるあなたです。

独身の人は、結婚の時期や、子どもの人数、住宅購入の時期などを想像して書く、というのが一般的には言われているようですが、それはやめましょう。

現実とかけ離れすぎた想定は、避けるようにしてあげましょう。

臨場感のわかないプランを作成しても実行しないからです。

実行しないプランは時間と労力の浪費としかなりえません。

それどころか、そのプランがアンカーリングとなって、クライアントの将来を傷つけることにもなりかねません。

実行が伴わないプランは、マイナス要因の方が大きいということです。

アウトプットを伴わないインプットのみの学習で現実が変わらないのと一緒のことです。

プランを見直す

クライアントの人生で叶えたいことは、時間とともに、また、クライアントの成長に従って形を変えていくものです。

例えば5年後に家を買うというプランニングをしていても、その時期が何らかの理由で前後にずれることもあります。

ライフプランはクライアントの自由を束縛するために作成するものではありません。

ですから、その時々に合わせて、柔軟に対応していくことが大切です。

また、ライフプランを見直す際には、マネープランも見直す必要があります。

ライフプランとマネープランは連動しているからです。

マネープランは、クライアント自身が考えられるように教育しいていくことが望ましいです。

しかし、クライアントに投資経験がない、または浅い場合には不安を増長させてしまう可能性もあります。

そのような時には、投資に対する認知バイアスを取り除いてあげてください。

認知バイアスに関しては、心理学や行動ファイナンスなどの知識が必要になりますが、クライアントのためになるので、習得するようにしましょう。

可処分所得を確認しよう

会社員なら給料やボーナス、自営業の場合は事業収入などが収入となります。

この中で実際に使えるお金は、手取り収入といわれる部分です。

会社員であれば、給与収入から社会保険料と所得税・住民税を差し引いた部分がこの手取り収入で、「可処分所得」といわれるお金です。

収入と所得税、社会保険料は、勤務先から受け取る「源泉徴収票」、住民税は毎月の給与明細や「納税通知書」でわかります。

自営業なら事業収入から社会保険料と所得税・住民税、そして必要経費を差し引いた分が「可処分所得」ということになります。

それぞれの金額は、確定申告書や納税通知書などで確認できます。

家計簿が無意味にならないように気をつけてあげよう。

次に支出の確認をします。

家計簿をつけていたら、それを元に「毎月の支出」と「年に数回の支出」を書き出してもらいます。

ここで注意して欲しいことがあります。

家計簿を何のためにつけるのかを確認してください。

使途不明金を探し当てることが目的だったらいいのですが、それが、ただ記録目的だとしたら、暫くの間記帳作業を止めてもらいましょう。

現状が改善しないだけでなく、その行為によってクライアントの時間が奪われてしまうからです。

因みにクレジットカードなど、自動的に明細などを発行してくれるツールを活用すると家計管理がしやすくなります。

クレジットカードだと無駄遣いが増えてしまう、これは大きな誤りです。

むしろ使い方によっては、支出を抑えることもできますし、収支を増やすことも出来ます。

更に現金を持ち歩かなくてもいいですし、家計簿の役目まで果たしてくれるとなると、鬼に金棒的存在であるといえます。

話を元に戻します。

「毎月の支出」×12カ月分に「年に数回の支出」を足した金額が、1年間の支出合計となります。

「年間収入合計」から「年間支出合計」を差し引いた金額が1年間に貯蓄できる金額となり、この金額がマイナスになった場合は、支出の見直しが必要です。

またプラスなのに貯蓄できていない場合は、使途不明金を明確にして家計の収支を改善する気切っ掛けにしてあげましょう。

現在の資産を確認する

健全度をはかるためには、資産の状況を確認することが最も大切です。

現状をしっかり把握しておく習慣を身に着けておけば、家計に限らずあらゆる方面でその手段が役に立ちます。

現状把握を疎かにする人は、何をやっても途中でうまくいかなくなります。

例えば、毎年の収支ではプラスでも、資産状況が大きくマイナスであれば、改善策を考える必要があります。

資産というと、現金や預貯金、株式などの有価証券などを想像するかもしれませんが、実は資産というのはそれだけではありません。

例えば、終身保険や養老保険、個人年金保険、学資保険といった貯蓄型の保険。

破綻リスクや目減りする可能性はあったとしても、現時点で解約した場合の解約返戻金の金額を、資産としてみなすこともできます。

また、購入済みの住宅も、不動産という資産です。

ただし、不動産の価値は経過年数に応じて変動しますので、現時点での市場価格を確認し、ある程度余裕を持たせて、その金額を資産に書き加えるようにしてください。

現在の負債を確認する

資産を洗い出したら、次は負債の洗い出しです。

負債としては、住宅ローン、自動車ローン、カードローンといったものが思い浮かぶと思いますが、この他に貸与型の奨学金なども負債になります。

学生時代の奨学金を返済している場合は、その金額も忘れずに負債として計上しておきましょう。

最初に書き出した資産の額から、この負債の額を差し引いた金額が「純資産」になります。

この「純資産」がマイナスになる場合には思い切った対策が必要になるケースもでてきます。

ではまた。