
FPステップと力量・倫理(CFP®認定者)
今回は、顧客との関係性、データ収集、分析と評価などファイナンシャルプラン進行の手順、それからFPの力量判断、主だった倫理やプランを作成する際の原則などについてです。
第1のステップ:顧客との関係確立とその明確化
力 量
明確な業務契約範囲に基づき、合理的な期待を明確化することを支援できなければならない。
倫 理
第四原則:業務に入る前にCFP認定者の重要情報開示を行わなければならない。
第八原則:顧客との関係確立にあたって、顧客のニーズ等を十分把握した後に、業務に入る
第二のステップ:顧客データの収集と目標の明確化
業 務
CFP®認定者と顧客は、FP(ファイナンシャルプラン)の策定前に、業務範囲にかかわる顧客の個人的、財政的な目標、ニーズ、優先事項を共同で明確にする。
力 量
- 顧客データを収集し、顧客ニーズと目標を明確にすることができなければならない。
- 定性的、定量的なファイナンス目標を検討するために、顧客と共同で作業し決定しなければならない。
- 健康・性別・ライフデザイン・ライフスタイル・職業・婚姻状況・家族のニーズや優先事項など、ファイナンス分野以外での顧客データを収集できなければならない。
- 過去・現在・将来の収入と支出、資産と負債などに関する顧客のファイナンスデータを収集し、正確に記録できなければならない。
- リスク許容度や許容範囲に関する情報を収集できなければならない。
倫 理
第三原則:顧客のニーズと目標に関する真の情報を入手するために常に客観的に情報収集しなければならない。
第八原則:顧客のニーズと目標に関する情報を十分入手して、初めてプランニング業務に入れることを自覚しなければならない。
第三ステップ:顧客の財務状況の分析と評価
業 務
CFP®認定者は、顧客情報を分析し、顧客の資産や収入等を基に顧客のニーズや目標がどの程度達成可能かを評価しなければならない。
力 量
- 顧客のニーズと目標を前提にライフイベント表を作成できなければならない。
- 顧客のキャッシュフローとバランスシートの分析ができなければならない。
- 顧客に関する税金について把握し、その影響を分析できなければならない。
- 顧客のリスク管理や加入している保険の状況を分析し評価できなければならない。
- 顧客の退職に関する状況を分析し評価できなければならない。
- 顧客の相続に関する状況を分析し評価できなければならない。
- 顧客の投資に関する状況を分析し評価できなければならない。
倫 理
第1原則、第3原則:顧客のファイナンス状態を分析・評価し、顧客の利益のために行動しなければならない。
第6原則:顧客のファイナンス状態の現状分析に必要な力量をもたなければならない。筆意様な力量のない事項については、他の専門家にアドバイスを求めたり、他の専門家を顧客に紹介しなければならない。
第8原則:顧客のファイナンス状態の分析と評価を勤勉に行わなければならない。
第4ステップ:ファイナンシャル・プランの検討・作成と表示
業 務
CFP®認定者は顧客のニーズや目標、優先事項を合理的に達成できるように、適切な選択肢を検討しなければならない。
その中で最も適切な選択肢に基づくプランを検討し作成しなければならない。そして、顧客が意思決定をするためにプランを適切な方法で伝えなければならない。
この際、一般的な経済環境の理解、顧客の個人的・経済的前提条件、個々のプランの相互関連性、プランの長所と短所、プランのリスク、時間的な留意点などについても、プランを理解する重要点として顧客に伝えなければならない。
力 量
- 顧客のニーズ・目標・優先事項に合致する可能な複数のプランを広く考え、それらを綿密に比較検討することができなければならない。
- キャッシュフロー表やバランスシートを基に提案書を作成し、これらの提案が顧客のニーズや目標、優先事項に合致することを顧客が理解できる方法で提示しなければならない。
- タックスプランニング、リスク管理と保険、退職、投資、不動産、相続に関連する提案書を作成し、提示できなければならない。
- プランにおけるファイナンス上のリスクと、顧客のリスク許容度とを比較し、差異があれば、顧客がその分析をできるように支援しなければならない。
- プランについて顧客が十分に理解し、意思決定できるように、わかりやすくかつ正確に伝えることができなければならない。
倫 理
(複数の選択肢の検討の作業)
第1原則、第3原則:客観的な検討をし、顧客の利益のために複数の選択肢を検討する。
第5原則:専門家としてのFPの信頼に応えるべく複数の選択肢を検討しなければならない。
第6原則:顧客に適した複数の選択肢を提案できる力量があること。
第8原則:顧客に適した複数の選択肢を勤勉に検討しなければならない。
(最良のプランの提示)
第1原則、第3原則:客観的な検討をし、顧客の利益のために最良のプランを提案しなければならない。
第5原則:専門家としてのFPの信頼に応えるべく、最良のプランを提案しなければならない。
第6原則:顧客に適した最良のプランを提案する力量を持たなければならない。
第8原則:顧客に適した最良のプランを勤勉に検討しなければならない。
(わかりやすく正確な伝達)
第2原則:誠実にプランを伝え、虚偽や誤解を招く説明をしてはならない。
第3原則:客観的にプランを伝えなければならない。
第5原則:顧客の信頼に応えるように説明しなければならない。
第5ステップ:ファイナンシャル・プランの実行支援
業 務
- 実行責任についての合意:CFP®認定者と顧客は業務の範囲に従いプランを実行する責任について相互に合意しなければならない。
- 実行のための商品とサービスの選択:顧客の利益に合致し、顧客のニーズと目標に沿って、プランに適した最適な商品とサービスを選択しなければならない。
力 量
プランの実行の手続き、商品サービス、法的要件を知り、執行できるか、プランに沿った思考手続きが可能な信頼できる専門家に委ねることができなければならない。
顧客の利益に合致した商品とサービスを選択する場合、定性的及び定量的な情報を用いて専門的な判断を行わなければならない。
倫 理
(実行責任についての合意)
第4原則:プランの実行に際して、改めて重要情報開示を行わなければならない。
第5原則:プランの実行に際して千万課としての信頼に応える行動をしなければならない。
第6原則:適切な力量を持って実行責任を担わなければならない。専門的力量のない事項については、他の専門家に実行責任を委ねなければならない。
第8原則:プラン実行に際して勤勉でなければならない。
(商品とサービスの選択)
第1原則、第3原則:客観的に顧客の利益のための商品とサービスを選択しなければならない。
第4原則:商品とサービスの選択に際して、CFP®認定者は利益相反、報酬体系、代理店関係などを顧客に開示しなければならない。
第5原則:商品とサービスの選択に際して、CFP®認定者は法律や規制・規則に従い、専門家に対する信頼に応える行動をしなければならない。
第8原則:商品とサービスの選択と提供に際して、CFP®認定者は勤勉でなければならない。
第6ステップ:定期的見直し
業 務
CFP®認定者と顧客は、見直し責任の範囲を共同で明確にし、定期的な見直し業務の内容を明確にしなければならない。
力 量
顧客のキャッシュフローや家族構成などの状況の変化、ニーズや目標の変化、経済・企業情勢や法制度等の各種制度の変化、金融商品の変化などを継続的にフォローし、顧客に説明でき、必要に応じてプランを修正することができなければならない。
倫 理
第8原則:プランの定期的見直しに際して勤勉でなければならない。
CFP® Masao Saiki