
前回は、多くの起業家はビジネスの出発点を間違えている。
ビジネスの本来の目的を見失っている。
間違った信念への執着によって、どんどん身動きが取れなくなっている。
ビジネスで用いるツールをビジネスそのものだと勘違いしている。
そうした商材に絡め取られ続けている。
ビジネスの唯一の解決方法はビジネスをすること以外ない、というところから今一度想起していって欲しい。
スタート地点がズレていたら、いつまでたってもゴールは見えてこない。などのお話をさせていただきました。
今回は、引き続きビジネスの考え方のお話をした後、強みや競争優位性の構築などについて解説していきましょう。
頑張ることを即やめる
私が言いたいことは、あなたが戦略についてより深く考えるようになったとき。
成功する確率が上がり、より簡単に成功できるようになるということです。
残念ながら、ビジネスは努力したからと云って上手く行くものではありません。
ビジネスで成功することと「頑張ること」は無関係です。
仕事を頑張ったからと言って必ず報われるわけではありません。
仕事をしなかったとか、長い時間仕事をしたというのは、ビジネスで成功することとは関係がないんです。
あるのはビジネスが上手くいった、失敗したという結果だけです。
残念ながら、労働時間とお金はほとんど関係ないです。
長い時間労働したからと言って、それがすべて収入に反映されるわけではありません。
あなたも思い当たるフシがあるはずです。
なぜなら、その出来如何によってライフスタイルや所有するものが変わったりするからです。
そして、起業家のほとんどが同じやり方を追いかけています。
特にスモールビジネスの世界では、
- 他の人と同じコトを他の人よりもより長く、素早く、賢くやる
もうちょっと速くやって、もっと長い時間働いて、ちょっと安く売ってみる、これはビジネスじゃないです。
もっと「他の人より長い時間頑張って働く」これはビジネス戦略ではありません。
起業家にとってビジネスは人生最大のゲーム
例えば、私は将棋が好きで得意ですが、友人はチェスが得意です。
もし、そのゲームにお金が絡んでいるとしたら、どちらのゲームを選択するでしょうか?
私だったら将棋を選びますし、友人はチェスでしょう。
- ビジネスは、起業家にとって、お金の絡んだ人生最大のゲーム
- そのゲームを自分が戦うべき得意なゲームで勝負するのか。
- あるいは、他の人が既に大きな優位性を持ったゲームで勝負するか。
もちろん、自分が得意なゲームで勝負しますよね。
ですからあなたは、あなたの強さの回りにビジネスをつくっていかなければなりません。
強さというのは、
「生まれ持った才能+経験+教育(知識)+スキル」
のことです。
これは、私のビジネスを変えたメンターの一人でもある世界的に有名なコーチの言葉です。
あなたの強みはなんでしょうか
想像してみてください。
利き手とそうじゃない手で名前を書いている場面を。
もし、利き手じゃない方でビジネスをやっているような違和感があるとしたら、、、
利き手とそうじゃない手、どちらがあなたの能力を発揮できるでしょうか?
「失敗する起業家のほとんどは自分の強みを知らない。彼らに尋ねてみるとポカンとあなたを見つめるか、その話題に関する間違った知識を答える。」これはピーター・ドラッカーの言葉です。
スキル1:弱点の向こう側に強みが見えてくる
「自分の短所を補って長所を伸ばしなさい」そのように教えらた経験があなたにもあるかもしれません。
しかし、私は自分の弱いところをどうやって補えばいいのかが分かりませんでした。
そして、自分の長所がどこにあるのか長い間わかりませんでした。
強みは自分では自覚できない
実は、生まれつきの才能って自然に備わっているものなので、それに全然気がつかないのが当たり前なのです。
自分は簡単にできてしまうから、他の人も自分と同じようにできると思ってしまう。
そして楽しいからなんとなくやってしまう。
ですから、それが自分の強みだとは認識できないんです。
友達や仲間から聞いたり、あるいはその道のプロから指摘されたりして始めて分かることなんです。
スーパースターも自分の強みが分からない
皆さんはマイケルジョーダンという人物をご存知でしょうか?
彼はアメリカの元プロバスケットボール選手で、NBAのシカゴ・ブルズ、ワシントン・ウィザーズでプレーしていました。
その実績から当時は「バスケットボー ル の神様」とも評されていた人物です。
その彼が一時期プロ野球に転向しましたが、その成績は127試合の出場で打率2割0分2厘、11エラーというものであり、メジャーリーグに昇格することはできませんでした。
彼は生まれつきのアスリートではありましたが、彼の能力を最大限に活かせるのはバスケットボールでした。
そしてビジネスの世界において、あなたがマイケルジョーダンと同じような選択をしてしまったなら、成功することはできません。
自分の弱みを追求していく
ビジネスで成功したいのであれば、自分の得意な領域を見つけなければなりません。
ビジネス成功の鍵は、強みを見つけること、そして障害になっていることを見つけることです。
だだし、ほとんどの人は、
- 「何をするべきでないか」を直感的に判断することができない
- 自分自身がビジネスにブレーキをかけながら、前に進もうとしていることにすら気付いていない。
ですから、あなたは今やるべきではない事をたくさんやっている可能性があります。
本当はやらなければいけないのにやっていない事がたくさんあると思うんです。
なぜそうなるのかというと、、
- 自分の強みが何処にあるのか
- どこからレバレッジをかけていけばいいのか
がわかっていないからなんです。
それを明確にするためには、実のところ自分の弱みを追求していくのが近道です。
スキル2:スイートスポットがビジネスをリードする
一つ目のスキルは強みを作るということでした。
そのためには弱点を明確にして追求していくということをお話しました。
2つ目のスキルはその強みを競争有意性に変えていくということです。
つまり、それがメンターが言うところの「スイートスポット
」です。
市場で戦っていくには優位性が必要です。
スイートスポットとは、次の交点です。
- 強み
- 情熱
- チャンス
- リソース
あなたの強みがあった上でのチャンス。
そして、チャンスとはニッチ市場のこと
です。
その市場が何を求めているか?
それからパッションがあって、そしてリソース、実現するためのリソースです。
しかし、優秀な起業家は、リソースがたくさん無くても大丈夫だという事を知っています。
つまりリソースが少なくても成果をだせるんです。
でも普通の人はリソースが必要だと考えてしまう。
リソースの無いところから成功した起業家の例は数多あります。
ですから、その考えは改めてください。
リソースが「ある」「ない」、それはビジネスの成功とほとんど関係ありません。
意志の力ではなく情熱
そして情熱に関してです。
なぜ情熱なのかというと、意思の力を凌駕(りょうが)することができるからです。
ご存知かもしれませんが、人の意志の力というのはとても弱いものです。
一説には、「意志の力というのには毎日限りがあって、だんだんと下がっていく、だから大切なことは朝にしなさい。」
といっている人もいます。
私は、エネルギーの高い時間という言い方をしています。
エネルギーピークの時間には個人差があるからです。
いずれにせよ、情熱が大切になってきます。
情熱があれば意志の力は関係ありません。
だから情熱を持てるということが非常に重要なんです。
スモールビジネス・ブレイクスルーブログラム
私の場合、SBTP(スモールビジネス・ブレイクスルーブログラム)がスイートスポットの1つです。
情熱を持ちながらことにあたれるからです。
- 強み=ビジネスを成長させるポイント、ビジネスが失敗する要因を数多く知っていること。
私の強みはビジネスが成長することです。それは、どうしたら失敗してしまうのかを知っていることに要因があります。 - 情熱=ビジネスが子供の頃から好き。教えるのが大好き。お節介を焼くのが好き。
ビジネスに対する考え方は、小学生の売買経験から始まり、高校生の時に芽生えた起業志向、それから経営に28年間携わってきたことです。ビジネスについて話し、考え、勉強するということが楽しくて仕方ありません。自分の分野に限らず、とにかくビジネスが好きです。 - リソース=私の実績(自分自身+クライアント)と経験や体験
一番は成功したクライアントさんたちです。最初のリソースは3社の取締役を兼務した事、それがメインリソースでした。どうやってそれをコーチングの現場に落とし込むのか?が大変でした。 - チャンス=ニッチ、ニーズ喚起、将来のことやビジネスに悩んでいる人
15年前は、そこに誰もタッチしていなかったニーズがあったということです。誰一人として願望追求型のまま起業すると失敗する。構造俯瞰型の思考に転換しないと成功できない。ツールを集めることに依存してはいけない。正しいビジネスのやり方をしないと失敗するよ。って言う人がいなかったんです。
ですから、SBTPが私のスイートスポットです。
誰よりも上手くスモールビジネスで失敗しない方法を教えられる、そのことについて、自信があるからなんです。
私の経験が全てを物語っています。
だから私はうまくリードすることができているということなんです。
スイートスポットからはじめる。
もし、あなたがビジネスを1人で成長させていこうとするのであれば、スイートスポットからはじめないと上手く行きません。
必ずそこからビジネスを成長させなければいけません。
常に優位性を持っていなければいけません。
常にそこにスキルがあって、その価値を認識してもらわないといけません。
つまり、今から時間を使うのではなくて、既にある要素を引き出して、それを使っていかないといけないといことです。
今がスイートスポットでない場合
もし、あなたが既にビジネスをスタートさせていて、それがスイートスポットではない場合どうしたらいいでしょうか?
その場合は、スイートスポットの方に舵を切ってそちらに近付いていけばいいと思います。
私の場合、服飾ビジネス時代は大手アパレルとの競合関係にありました。
生産体制や企画力からして、同じ土俵で戦っても勝ち目がないことは明らかでした。
おまけに私の会社は立地も悪く、バイヤーも来ないようなところでした。
ですから、その赤字会社の再生を引き受けたときにやり方を変えたんです。
当時私は23歳でした。
市場の悩みを知る
そして私がその時に知っていたことは、
- 大手は小回りがきかないこと
- 商品が売れはじめると納品が追いつかなくなること
- そのため小売店側で売上ロスが発生していること
ポスシステムもまだない、管理システムがまだまだ行き届いていない時代だったのでムリもない話です。
ですから、私達のスイートスポットをそこに造らなければいけないと思ったんです。
なぜなら、それが、どのバイヤーも漏らしていた不満だったからです。
そして、、
- 大手アパレルは、そのバイヤー達の声を無視せざるを得ない
という痛い事情も私にはよく分かっていました。
以前勤務していたところが日本一のアパレル商社だったからです。
また、私は元々デザイナー志望で、デザイン画が非常に上手かったんです。
そして、この赤字会社の前身は縫製工場でした。
リスクを最小限に抑えて利益を回す
それでどうしたかというと、
- バイヤー達が欲している商品のデザイン画を起す。
- それを基に受注する
- 10日以内に製品を納める
この方法にすべてのスケジュールをあわせたんです。
つまり受注生産、クイックデリバリーの仕組みを作ったんです。
これが大当たりしました。
- 在庫も残らない。
- 新規取引も得やすい。
- バイヤーからは感謝される。
極論すれば、売っていたのは私が描いたデザイン画のみ。
そして、コストは私の労働時間だけです。
これが私が23歳の時に学び、実践したビジネスのスタイルです。
そのやり方で短期間で赤字を解消し、3年後には10倍近い年商になりました。
そこに強みとチャンスがあったからです。
そして、会社の売上とスタッフの成長。そこに情熱を感じていました。
これはちょっと古い話かもしれませんが、基本的なことは今も変わっていません。
そして必要な事です。
まとめ
私はこれを自分自身にもクライアントさんに対しても12年間実行してきました。
そして、気付いて欲しいことがあります。
あなが気付かなくてはいけないことです。
それはあなたが独自の存在であるということです。
そして他の人とは全く異なった経験や体験を持っているということです。
それを使うことによってある特定の人達に、ある価値を提供できるということです。
- その人がどんな人なのか?
- 何を求めているのか?
- あなたが何をできるのか?
ということがわかれば、ビジネスで大きく飛躍できるでしょう。
そのことによって、短期間で業務内容が改善し、売上が2倍3倍になったという例はたくさんあります。
次回は「3%以下の市場を取り合うことから離れて97%の市場に目を向けてみる」です。
ではまた。